2023.04.26
サム・マクブラットニイ 文 アニタ・ジェラーム 絵 小川仁央 訳 評論社 2004年
むかし、あるところに、母さんぐまと父さんぐまと三匹のこぐまがいました。
兄妹は同じ日に生まれたお兄ちゃん、お姉ちゃん、坊やです。パパとママはいつも三匹を寝かしつけるとき、「おやすみ。世界でいちばん可愛い子どもたち。」と言います。
ところが、ある日、お兄ちゃんは心配になりました。「ぼくは、他の子みたいに可愛くないかもしれない。」お兄ちゃんだけ鼻のまわりが白くないのです。
お姉ちゃんも「あたしより、他の子たちの方が好きなのかも。」と思いました。ほかの二人は男の子ですから。
坊やも心配になりました、「ぼくが一番ちびすけだ。みんな、ぼくよりずっと大きいもの!」
その夜、三匹は父さんぐまに聞きました、「誰がいちばん好きなの?みんながいちばんにはなれないもの。」
パパの答えはとっても素敵でした。みんなそれを聞いて、いつものように安心して眠りました。