2023.05.31
佐野洋子 講談社 1992年
おじさんは立派な黒い傘を持っています。自慢の傘です。
お出かけには必ず持っていきますが、雨が降り出したら濡れたまま歩くか、雨宿りをします。
けっして黒い傘をささないのです。傘が濡れるから!
おじさんはそんなにもこの傘を大切にしているのですね。
ある日、公園で休んでいたら、雨がぽつりぽつり。小さな男の子が傘に入れてと駆け寄ってきました。おじさんは聞こえないふりをしています。
男の子はお友だちの傘に入れてもらい去っていきました。
すると、楽しい歌が聞こえてきて、どんどん広がっていくのです。
♫あめが ふったら ポンポロロン
♫あめが ふったら ピッチャンチャン
おじさんも歌に誘われて・・・
かたくななおじさんの心がほぐれ、傘も役目を果たせて嬉しそうに見えます。
今年はずいぶん早い梅雨入りになりました。
雨の季節もピッチャンチャンと楽しみたいですね。