絵本日記「1年365冊」

『うれないやきそばパン』 | 言の葉のうつわ

『うれないやきそばパン』

2023.06.01

『うれないやきそばパン』 

 富永まい 文  いぬんこ 絵  中尾昌稔 作  金の星社 2012年

 

 みなさんは、焼きそばパンをお好きですか?

 先日、私はおしゃれなカフェでスパゲッティがはさんであるパンを初体験いたしました。意外な組み合わせにちょっぴり冒険する気持ちでオーダーしましたが、これがとっても美味しい!

 ヤミツキになりそうなくらい気に入ってしまいました。

 そこで結論!麺類とパン類は友だちだ!!

 おじいさんのパン屋さんは「可成屋(かなりや)」。昔は人気店だったのだけれど、今日は食パン1個、クリームパン3個、メロンパン2個とあと少しだけ。

 焼きそばパンは1個も売れませんでした。

 日が暮れると、捨てられたパンたちの声がごみ箱から聞こえています。

 

 となりまちのパン屋さんは大人気で、毎日大勢のお客さんが訪れているそう。

 おじいさんはその様子を見て、とびっきりのパンを作り上げました。生クリームやフルーツが乗ったデニッシュパンのポールです。瞬く間にポールは人気者に。ほかのパンたちはますます見向きもされなくなってしまいました。

 焼きそばパンのピョンタは風呂敷に荷物をまとめ、可成屋をさることに決心しました。

 そこに飛び込んできたのが男の子とお母さん。お母さんはピョンタをみつけるなり、パクッ!

 おかあさんが女の子だった頃、毎日ピョンタを買いに来ていたのです。

 カナリヤパンは再び繁盛し始めました。もちろん、ピョンタも正座してお客さんを待っていますよ。

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