絵本日記「1年365冊」

『おこだでませんように』 | 言の葉のうつわ

『おこだでませんように』

2023.07.06

くすのきしげのり 作  石井聖岳 絵  小学館 2008年

みなさんは七夕さまの短冊にどんなお願い事を書かれましたか。

この男の子は「おこだでませんように」と書きました。

家では妹を泣かせ、学校では友だちに先に手を出したり・・・お母さんにも先生にも怒られてばかりいます。

でも、言い訳ができなくて、本当のことがなかなかわかってもらえません。

「あーあ、ぼくは いつも おこられてばっかりや。」

7月7日、学校で七夕さまのお願いを短冊に書くことになりました。

みんなは「サッカーせんしゅに なれますように」「ピアノが じょうずに なりますように」などと書きましたが、男の子は「おこだでませんように」とひらがな一つひとつに心を込めて書きました。

書き終わったのはやっぱり最後。また怒られるとおもったのですが、なんと先生が泣いています。

「せんせい・・・・・・、おこってばかりやったんやね、・・・・・・ごめんね。よう かけたね。ほんまに ええ おねがいやねえ。」

夜になって先生から電話を受けたお母さん、長い電話が終わると、妹にするようにぼくをだっこしてくれました。

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