2023.07.06
くすのきしげのり 作 石井聖岳 絵 小学館 2008年
みなさんは七夕さまの短冊にどんなお願い事を書かれましたか。
この男の子は「おこだでませんように」と書きました。
家では妹を泣かせ、学校では友だちに先に手を出したり・・・お母さんにも先生にも怒られてばかりいます。
でも、言い訳ができなくて、本当のことがなかなかわかってもらえません。
「あーあ、ぼくは いつも おこられてばっかりや。」
7月7日、学校で七夕さまのお願いを短冊に書くことになりました。
みんなは「サッカーせんしゅに なれますように」「ピアノが じょうずに なりますように」などと書きましたが、男の子は「おこだでませんように」とひらがな一つひとつに心を込めて書きました。
書き終わったのはやっぱり最後。また怒られるとおもったのですが、なんと先生が泣いています。
「せんせい・・・・・・、おこってばかりやったんやね、・・・・・・ごめんね。よう かけたね。ほんまに ええ おねがいやねえ。」
夜になって先生から電話を受けたお母さん、長い電話が終わると、妹にするようにぼくをだっこしてくれました。