2023.08.05
内田麟太郎 文 町田尚子 絵 イーストプレス 2013年
江戸時代の化物婚礼絵巻をもとに内田さんが書かれたお化けの世界。
お化けたちもお見合いして、お話がまとまると婚礼の儀式をあげ、新婚生活が始まり・・・人間と変わらないのですね。
それに縁結びのお仲人さんたちもいるのです。
互いの好みがぴったり合って、「まがったところのない」四角四面の男と、「色が白くて、目がぱっちりで、可愛い口元の」娘が結婚することになりました。
娘は美しい花嫁に化けます。
お化けたちも祝福して、めでたい婚礼がとりおこなわれます。
仲睦まじい二人にやがて赤ちゃんが生まれました。元気な一つ目小僧です。
みんなは歌って踊ってお祝いをします。
そうこうしているうちに、夜が明けました。
お化けたちは明るいのが大きらい。一目散に逃げ出して、お化け屋敷はすっからかんになりました。
絵は町田尚子さん。『なまえのないねこ』など、魅力的な猫たちをたくさん書かれている人気の画家さんです。この作品にも、娘の脇にはしなやかな白猫がいます。