2023.08.08
ねじめ正一 文 大島妙子 絵 童心社
みどりちゃんの夢は花屋さんになることです。
学校の行き帰りに通る道に花屋さんがあります。
お店のおじさんもおばさんもみどりちゃんのことをよく知っていて、いつも帰りには「おかえりなさい」と声をかけてくれます。
そして、おじさんはいつもお花の種をくれます。
いろんなお花がみどりちゃんのお家の庭に咲いています。
ところが、そのおじさんが突然亡くなってしまったのです。
学校の帰り道、お店の前を通ってもシャッターがしまっています。
次の日も、次の日も。
毎日花屋さんの前を通っていたら、ある日シャッターの下が少し開いていました。
みどりちゃんはやっと体を半分入れてお店の中をのぞき込みました。
誰もいなくて、お花は1本もなくて・・・。
おばさんはどこに行っちゃたんだろ?
みどりちゃんは花屋さんの前を通るのがいやになってほかの道で帰るようになりました。
ある日、気になって花屋さんに向かって歩いていたら、シャッターが開いていて、お店をやっていて、花たちもぴかぴか。
おばさんはいつものえがおで迎えてくれて・・・。
帰り際、おじさんの代わって花の種をくれました。