2023.08.09
ピーター・コリントン 作・絵 いずむらまり 訳 徳間書店 2000年
ねこのシマシマは毎朝、家のドアの外で朝ごはんを待っています。ずっと待っていると、飼い主のフォードさんの奥さんが気づいて、ちょっと待ってと言います。
それからも待って待って、やっと朝ごはんのキャットフードをもらいました。
こんなふうに、シマシマは毎日朝ごはん、昼ごはん、晩ごはんを待ち続けています。
ある朝、待ちきれなくなって、台によじ登ってキャットフードの缶詰をとりだし、ふたを開けてお皿によそって、食べ始めました。
フォードさんの家族がびっくりしてみつめています。「こんなにおりこうだったなんて・・・」
ある日、奥さんはシマシマに鍵を渡してみました。するとシマシマは鍵を開けることができました。
次の日はキャッシュカードを渡され、自分でお金をおろしてキャットフードを買ってくるように言いました。
おりこうなシマシマは近所でも評判になりました。
お金をおろして、レストランで食事をし、映画を観て、ショッピングも楽しむようになりました。
近所でたむろして寝てばかりいるねこたちはなんてぐうたらなんだろう!
ところが、ある朝、フォードさん夫妻がシマシマからキャッシュカードをとりあげました。
「お金がかかってたいへんだ。これまでに使ったお金を返してもらうよ。」
シマシマはレストランでウェイターをして働くことになりました。お給料が入るとフォードさん返すのです。
しかし、寝坊してお店に行くとクビだと言われます。
シマシマの生活はまた元の通りに戻りました。
毎日、ご飯を待ち続けるのです。
近所のねこたちがお昼寝している場所にいって、丸くなります。
ほかのねこたちはシマシマを見て、「やっとりこうになったね」とでもいうように合図をするのでした。