2023.08.14
ベネディクト・カルボネリ 文 ミカエル・ドウリューリュー 絵 ほむらひろし 訳
クレヨンハウス 2019年
オオカミが昼寝をしていたら、楽しそうな笑い声が聞こえてきて、目が覚めました。
「だれだ?おれの ひるねを じゃまするやつは?」
大きな木のかげからのぞきこむと、お父さんと女の子がベンチに座っています。お父さんが本を読んであげているところでした。
いつものオオカミなら二人をガブリとするところですが、オオカミはお話がおもしろくてしかたありません。
お話の途中で二人は家へ帰ることにして立ち上がります。
オオカミは「だめだめ!かえっちゃ だめだ!さいごまで よんでいないじゃないか!」
二人の後姿をみつめていると、何かがぽとりと落ちました。
あの本です。
続きが読めるとどきどきしながら絵本を開きますが、字が読めないオオカミには何が書いてあるのかわかりません。
そこで、森の動物たちに順々に頼んで回りました。だまして食べようとしているのだろうと、みんなが逃げていきます。
でも小さなウサギはオオカミの頼みをきいて、おそるおそる本を読み始めました。
読み終わると、「もういっかい!」とオオカミは何度もせがみます。
次の日、ほかの動物たちに止められながらも、ウサギは約束を守ってオオカミに絵本を読んでくれました。
「もういっかい!」「もういっかい!」「もういっかい!」
とうとうオオカミはウサギに頼みました。
「おれに よみかたを おしえてくれないか?」
本が読めるようになったオオカミは森のみんなに聞かせてあげています📖