2023.08.16
デイビッド・マクフェイル 作・絵 桝田邦男 訳 徳間書店 2009年
表紙絵では男の子が「やめて」と訴えています。
吹き出しの言葉がそのままタイトルになっています。
男の子は手紙を書いています。
封をして、切手を貼りました。
あて名には「だいとうりょうさま」という文字が読みとれます。
帽子をかぶり、外套を着て、まちへ出かけます。
空には戦闘機。緑の丘に爆弾が落とされました。
まちなかには戦車。家が燃えています。
銃を持った兵隊が市民の家に押し入ろうとしています。
男の子はポストまでやって来ました。
若者がポストのそばに立っています。
若者は男の子の帽子を払い落し、胸ぐらをつかんでこぶしを振り上げました。
「やめて!」
「やめてだって?」
さらに殴りかかろうとします。
もう一度「やめて!」
そして、男の子は手紙を投函しました。
自分が振り払っておとした帽子をひろって若者は男の子を追いかけます。
まちの風景が一転していました。
兵隊たちは市民にプレゼントを届けていました。
戦車は畑を耕しています。
戦闘機はパラシュートにつけて自転車のプレゼントを男の子にくれました。
追いついた若者が自転車をこぎ、男の子を後ろにのせて走ります。
本文に出てくる文字は男の子が二度言う「やめて!」と若者の「やめてだって?」のみです。
男の子が勇気を出して言うNOで世界が変わったのです。