2023.09.15
いもとようこ 作・絵 金の星社 2010年
まあるいお目目の動物たちの絵でおなじみのいもとようこさんの作品。
くまの母子の物語りです。
ぼくとかあさんは山奥の小さな家で二人暮らし。
貧しいけれど、かあさんはいつも優しかった。
貧しいことで恥ずかしい思いや悲しい思いを決してさせなかった。運動会の前にはみんなと同じ「はやく走れるくつ」を買ってくれた。
かけっこで転んだらかあさんが飛び出してきて、ぼくをおぶって走り、1位でゴールした。
ぼくは大きくなり、学校を卒業して町の会社で働くことになった。
ぼくはかあさんが恋しくて毎日電話した。
だんだん新しい生活が楽しくなり、かあさんに電話をかけることもなくなった。
いつものように遅くまで騒いで帰って来たところにかあさんから電話があった。
「あ、かあさんか!いま いそがしいんだよ・・・・・・
・・・・・・・
そのうちかえると いっただろう・・・・・・
わかったよ、かえるよ!・・・・・・」
つぎの日曜日、雪がふり続く山道をあるいてぼくは帰った。
「こんなところで、よくもまあ そだったもんだ」
玄関の戸を開けて、ぼくが見たものは・・・・・・
読むたびに胸がいっぱいになります。
山よりも高く、海よりも深いとよく表現されますが、母の愛は本当に尊いものですね。