2023.11.01
寮美千子 編・訳 篠崎正喜 絵 ロクリン社 2016年
1854年、アメリカ第14代大統領のフランクリン・ピアスは、インディアンたちの土地を買収し居留地を与えるとの申し出をした。1855年、インディアンの主張シアトルはのこ条約に署名。
シアトル首長が大統領に宛てた手紙が絵本になりました。
心を打つ言葉が並んでいます。インディアンの人たちの暮らしぶりに畏敬の念を禁じ得ません。
代々住み慣れた土地を去らなければならなかった人々の気持ちを考えると、胸が締め付けられる思いがいたしますが、この手紙からは恨みの言葉などは見当たりません。
「ひとつだけ 確かなことは どんな人間も 赤い人も 白い人も わけることはできない ということ。わたしたちは結局 おなじひとつの兄弟なのだ。わたしたちが 大地の一部であるように あなたも また この大地の一部なのだ。大地が わたしたちにとって かけがえのないように あなたがたにとっても かけがえのないものなのだ。」