絵本日記「1年365冊」

『ともだちのなまえ』 | 言の葉のうつわ

『ともだちのなまえ』

2023.12.09

内田麟太郎 作  はしもとみお 彫刻・絵  教育画劇 2023年

11月に発行されたばかりの内田麟太郎さんの最新絵本。

はしもとみおさんの彫刻のイグアナとカモメが愛らしい。

イグアナは一人ぼっちで小さな島で暮らしていました。

ある日、羽を痛めたかもめが落ちてきました。

イグアナは薬になる葉っぱをもんであげたり、魚を運んであげたりしました。

カモメは聞きました。

―イグアナさんは ひとりぼっちなの?

でも、「ひとりぼっち」の意味がイグアナにはわかりません。

―おともだちは いなかったの?それで さびしくなかったの?

やはり、意味はわかりません。

イグアナが土の中で卵だった頃、台風が島を襲って、誰もいなくなっていたのです。

カモメは毎日いい声で歌を歌ってくれました。

イグアナはとっても幸せでした。

涼しい風が吹き始めたある日、カモメは別れを告げて飛び立ちました。

ひとりぼっちではない時間を過ごし、誰かと居ることの喜びを知ったイグアナ・・・

その気持ちを思うと、泣かずにいられましょうか。

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