2023.12.21
梅田俊作・佳子 作 ほるぷ出版 1996年
ぼくは、大雪の中、バスを終点で降りた。七つ森のばあちゃんちまで行くためだ。
生まれたばかりの弟とかあちゃんはずっと前からばあちゃんちに居る。
父ちゃんとぼくは吹雪の中を向かった。父ちゃんは、足跡をきっちり踏んでついてくるんだぞと言った。
横なぐりの雪を顔に受けながら進んでいくとおじぞうさんが見えた。ぼくはおじぞうさんのそばのレンゲ畑でハチに刺され、ばあちゃんに手当をしてもらったことを思い出した。
夏の思い出も、秋の出来事も蘇ってきた。
そのうちに父ちゃんの姿が見えなくなった。
みんな、いまごろ赤んぼうをだいているんだろうな・・・そう思ったら、ぼくは悲しくなって雪の上に寝っ転がった
ぼくはまた歩き出した。寒さで足がしびれてしまって何も感じなくなった。
すると何かが動いている。父ちゃんがマフラーを木に結びつけて目印にしてくれていたんだ。
さあ、ばあちゃんちまでもう少しだ。
すると、ぼくの名前を呼ぶ声が聞こえた。ばあちゃんだ!
ばあちゃんちでは、じいちゃんがお餅を焼いてくれていた。
父ちゃんも母ちゃんも弟も待っていてくれた。