絵本日記「1年365冊」

『ちからたろう』 | 言の葉のうつわ

『ちからたろう』

2024.01.10

いまえよしとも 文  たじませいぞう 絵  ポプラ社 1967年

よく知られた昔話です。おおらかな世界観を感じます。

貧しいじいさまとばあさまは体じゅうの垢をあつめて小さな人形を作り、可愛がって育てました。

よく食べるので、どんどん大きくなっていきましたが、寝たまんまでした。

何年もたったある日、とつぜん口をきいて、百かんめのかなぼうを作ってほしいと言います。

かなぼうを杖に立ち上がり、みあげるような若者になったのを見て、じいさまは「ちからたろう」と名づけました。

ちからたろうが町へ向かって歩いていると、みどうっこたろうといしこたろうが挑んできました。次々にねじ伏せて降参させ、三人はいっしょに旅をすることに。

町に着きましたが、様子がへんです。家々は戸をしめて、誰も歩いているものはありません。

ただ娘が一人、うずくまっていました。年に一度ばけものが村の娘をさらいに来るとうのです。今年は自分の番だと娘は泣いています。

そこで、三人は力を合わせてばけものをやっつけました。

三人は大喜びの村の人たちに迎え入れられて、村に住みつき、よく働きました。

ちからたろうは助けた娘といっしょになり、じいさんとばあさまも迎えてずうっと暮らしたそうです。

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