2024.01.13
バージニア・リー・バートン 文と絵 いしいももこ 訳 岩波書店 1965年
長く愛されている絵本ですね。無くしたものの大切さを教えてくれます。
むかしむかし、小さい家がいなかの丘の上にたっていました。この家を建てた人は、孫の代までりっぱに立っているだろうと思いました。
長い間、小さい家はまわりの景色を眺めながら幸せに暮らしていました。
春、夏。秋、冬・・・季節ごとに変わる景色を小さい家はじっと眺めていました。
あるとき、自動車が道を走ってくるのが見えました、そして、馬車はだんだん少なくなっていきました。広い道路が作られ、人も車も忙しそうに行ったり来たりし始めました。
小さい家のまわりは大きな建物や駐車場でいっぱいになりました。電車も走っています。
大都会になった小さな家のまわりの景色は一年中同じでした。
ある日、その家に住んでいたおばあさんの孫にあたる女の人が小さい家をみつけました。
女の人は建築やさんに頼んで小さい家をお引越しさせることに決めました。
小さい家は、また季節の巡りを楽しめるようになりました。そして、その小さい家には、また人が住み、面倒を見てくれるようになったのです。