2024.01.16
筒井頼子 作 林明子 絵 福音館書店 1986年
かなえは山の見える町に引っ越してきました。
新しいお家のどの部屋もダンボールの箱でいっぱい。お父さんとお母さんは荷物の整理にとりかかっています。
疲れたかなえが座り込んでいると、
とん ことり
玄関の方で小さな音が。
郵便は届いていませんでしたが、郵便受けの下にすみれの花束が落ちていました。
外を見ましたが、知らない人があるいているだけでした。
次の日も
とん ことり
郵便受けにはたんぽぽが3本はさんでありました。
次の日もお母さんは片づけで忙しく、かなえは一人で絵を描いていました。
「ともだちが いなくて つまらない」とつぶやいたとき
とん ことり
また、あの音が。
郵便が届いていました。封筒には何も書いてなくて、手紙には大きな字で
「ともだちはいいですとてもうれしいですまっています」
「すみれ、たんぽぽ、てがみ・・・・・・」とつぶやきながらかなえがおはじきで遊んでいたとき、また
とん ことり
かなえはとうとうその子に会えたのです。