絵本日記「1年365冊」

『とん ことり』 | 言の葉のうつわ

『とん ことり』

2024.01.16

筒井頼子 作  林明子 絵  福音館書店 1986年

かなえは山の見える町に引っ越してきました。

新しいお家のどの部屋もダンボールの箱でいっぱい。お父さんとお母さんは荷物の整理にとりかかっています。

疲れたかなえが座り込んでいると、

 とん ことり

玄関の方で小さな音が。

郵便は届いていませんでしたが、郵便受けの下にすみれの花束が落ちていました。

外を見ましたが、知らない人があるいているだけでした。

次の日も

 とん ことり

郵便受けにはたんぽぽが3本はさんでありました。

次の日もお母さんは片づけで忙しく、かなえは一人で絵を描いていました。

「ともだちが いなくて つまらない」とつぶやいたとき

 とん ことり

また、あの音が。

郵便が届いていました。封筒には何も書いてなくて、手紙には大きな字で

 「ともだちはいいですとてもうれしいですまっています」

「すみれ、たんぽぽ、てがみ・・・・・・」とつぶやきながらかなえがおはじきで遊んでいたとき、また

とん ことり

かなえはとうとうその子に会えたのです。

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