2024.02.01
神沢利子 文 赤羽末吉 絵 復刊ドットコム 2017年
表紙絵のひょうたんの目つきが気になりますね。
こわ~いお話なのですが、ひょうたんめんの表情や動作がユーモラスで、なんだか憎めなくなるのです。
むかし、種子島に、おとじろうまごじろうという人がいました。
塩を買いに出かけた帰り道、ひょうたんめんというおばけが出るとうわさの山道にさしかかりました。
日の暮れないうちに早く山を越えなければと急ぐ後ろからひょうたんめんが現れ、「その しお、くわせろ」と言います。仕方なく塩をぶん投げて、馬を引いて逃げ走りました、
すぐに追いつかれて「その うま、くわせろ」。仕方なく馬をおいて逃げました。
こんどはわしが食われる番だとおとじろうは松の木に登りました。おとじろうの知恵でひょうたんめんは川に落ちて腰を打ちました。
ひょろりひょろり帰っていくひょうたんめんの後をつけて、おとじろうはひょうたんめんのすみかをみつけました。
お風呂に入ったひょうたんめんをおとじろうはまたもや知恵を働かせてやっつけました。
それからは、村人たちは安心して山道を通ることができるようになったということです。