2024.02.08
エズフィール・スロボドキーナ 作・絵 松岡亭子 訳 福音館書店 1970年
アメリカでの1940年の初版以降、愛され続けている絵本です。
むかし、あるところに帽子の行商をしている人がいました。この人は頭の上にのせて売り歩いていました。はじめは自分の格子縞の帽子、そのうえにねずみ色の帽子をいくつか、そのうえに茶色の帽子をいくつか、空色の帽子、赤い帽子と積み重ねます。
高く積み上げられた帽子が落ちるといけないので、いつも背すじをのばして、「ぼうし、ぼうし、ひとつ50えん!」と、よばわって歩きました。
ある日のこと、帽子がひとつも売れないので、大きな木の根元に腰かけて、帽子を落とさないように注意しながら眠りました。
長く眠って、目が覚めたときには気分はさっぱり。でも・・・頭の上には自分の格子縞の帽子しかありません。木の上には色とりどりの帽子をかぶったおさるたちがいました。
帽子売りはさるに向かって指をつきつけながら「おれのぼうしを かえしてくれ」と言いました。ところが、さるたちは帽子売りに向かって指をつきつけて「ツー、ツー、ツー」と言うだけです。
帽子売りが両手を振り上げて怒ると、さるたちも両手を振り上げます。片足を踏み鳴らすと、さるたちも同じことを。とうとう帽子売りはかんかんに怒って、両足を踏み鳴らしました。さるたちもまねをします。
帽子売りは腹が立って、腹が立って・・・自分の帽子を地面に投げつけ、すたすたと歩き始めました。
すると・・・どうなったのかは、お分かりですね(^O^)。
帽子売りは頭の上にいつものように帽子を積み上げて、帰っていきました。