絵本日記「1年365冊」

『おそばのくきはなぜあかい』 | 言の葉のうつわ

『おそばのくきはなぜあかい』

2024.02.12

石井桃子 文  初山滋 絵  岩波書店 1954年

石井桃子の文に、童画画家として活躍した初山滋の絵で「おそばのくきはなぜあかい」のほかに「おししのくびはなぜあかい」「うみのみずはなぜからい」が収められています。

古い本ですが、初山画伯の絵が斬新でとっても魅力的。ページごとのレイアウトにも工夫が凝らされ、おしゃれな昔話絵本です。

見ず知らずのおじいさんに頼まれて、おぶって冷たい川を渡っお蕎麦。じつはおじいさんは穀物の神様でした。それで春から夏にかけて畑で暖かい日を浴びることができるようになったのだそうです。かたや、いやだと言って親切にしなかった麦は、寒い冬の間、雪の下でがんばらなければならなくなったのだそう。でも冷たい川をわたったので、お蕎麦の茎はいまでも下の方が真っ赤なのだそうです。

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