『ボタン』

2024.02.18

森絵都 作　 スギヤマカナヨ 絵　 偕成社 2013年

何と魅力的な表紙の色なんでしょう。

この赤色は、クローゼットの奥にしまってあるあたしの大好きな箱の色。

クッキーの空き缶に入っているのは、ボタン！

若い頃、洋服を作るのが好きだったママは、古い洋服を手放すときに、ボタンだけは残しておいたんだって。だから、いろいろなボタンがいっぱい。

一つひとつのボタンを見ていると、どんな洋服だったのか、想像が膨らむ。

そして、そのボタンがついた洋服を着ていたときのママはどんなきもちだったのかなと・・・。

ボタンを眺めていたら、ママが言った。

「そんなに　ボタンが　すきなら、まゆの　ワンピースに　たっぷり　つけてあげるよ」

ママのお手製の地味なワンピースがボタンのお姫様のように大変身した。

男の子たちにからかわれたけれど、あたしは平気。ボタンの数だけママといっしょなんだから。