2024.02.23
ウィリアム・スタイグ せたていじ 訳 評論社 1978年
ぶたの女の子パールと、話ができる骨の物語。この物言う骨は、魔女が落としていったものなんです。
うららかなある日、パールは学校からの帰り道、通りの大人たちのすることを眺めながら、森に寄りました。草の上に座り込んでうっとりしていると、突然声がきこえました。
それは、物言う骨でした。
パールは骨をバッグに入れて家に連れて帰ることにしました。パールと骨はたのしくおしゃべりをしながら歩きます。
ピストルをかまえた3人のおいはぎが飛び出してきて、バッグを渡せと言います。バッグの中の骨はヘビのシューシューいう音や。ライオンの声をあげておいはぎを追い払いました。
次に現れたのはきつね。きつねはぶたが食べたいと言います。骨がワニの声を出しましたが、きつねは騙されませんでした。
きつねのうちに連れていかれたパール。キツネはナイフを研ぎ、ストーブに薪をくべて準備をしています。とうとう台所に引き入れられ・・・そのとき、骨が呪文を唱えました。するとキツネはうさぎくらいに縮みました。さらに呪文を唱えると、ねずみくらいに。
無事に家に帰ったパールはお父さんとお母さんに抱きしめられました。そして、骨はパールの家族の一員になりました。
シュールなお話をさらに魅力的にしているのは、登場する動物たちがとってもおしゃれなファッションをまとっていること。悪者のきつねでさえ、ネクタイをしめてジャケットをはおり、山高帽をかぶってステッキを持っているのです。主人公のパールは愛らしいピンクの帽子とお洋服です。
淡い色合いの絵が私たちをイマジネーションの世界にどっぷり浸らせてくれます。