絵本日記「1年365冊」

『みずをくむプリンセス』 | 言の葉のうつわ

『みずをくむプリンセス』

2024.02.24

スーザン・ヴァーデ 文  ピーター・H・レイノルズ 絵  さくまゆみこ 訳  さ・え・ら書房 2020年

地球に暮らす人のうち10億人は近くに水がない暮らしをしています。つまり、6人に1人がきれいな水を手に入れることが難しい環境にあるということになります。

ジージーはアフリカに暮らしています。

ジージーが歌えば野良犬もいっしょに歌うし、踊れば草もゆらゆら揺れ、風とかくれんぼすることだってできるのです。

そんなジージーにも、水を呼び寄せることはできないし、水をきれいにすることもできないのです。

お母さんとお父さんはジージーを「プリンセス」と呼ぶ。

朝、お母さんに起こされると、ティアラではなく水を入れるツボを頭にのせて二人で水を汲みに行く。長い道のりを歌いながら。

水汲み場に着くと、お母さんが並んでくれるから、順番を待っている間、ジージーは友だちと遊ぶ。

順番が来て泥の混じった茶色の水を汲むと、お母さんと二人で家への帰り道を歩く。体も足も痛くなってくる。

家ではお父さんが待っていて、「うちの プリンセスは、きょうも みずを くんできて くれたんだね」と抱き上げてくれる。

いつの日か、冷たくてきれいな水がありますように。

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