2024.03.03
マリー・ホール・エッツ 文・絵 よだじゅんいち 訳 福音館書店 1968年
朝日がのぼりました。わたしは原っぱへ遊びに行きました。
草の葉にとまって朝ごはんを食べているばったに「あそびましょ」と声をかけ、つかまえようとしましたが、ばったは跳んでいってしまいました
池の近くで蚊を捕まえようとしているかえるにも声をかけ、つかまえようとしましたが、ぴょんぴょん跳ねていってしまいました
丸たんぼうの先でひなたぼっこをしているかめも、樫の実をかじっているりすも、かけすも、うさぎも、へびも、みんな隠れてしまいました。
だあれもだあれも遊んでくれないので、わたしは池のそばの石に腰かけてみずすましを見ていました。
音を立てずに腰かけていたら、みんな順々にもどってきました。そのまま音を立てずにじっとしてると、だあれも怖がったりしませんでした。そして、しかの赤ちゃんが一ぴき近寄ってきて・・・。
やさしいタッチで描かれた絵に生きとし生けるものへの愛が感じられます。女の子の後ろではお日さまがずっと微笑んでくれています。心の中に朝日がさしこんでくるような作品です。