2024.03.24
光丘真理 作 山本省三 絵 文研出版 2011年
東日本大震災の起きた2011年の10月に発行された絵本です。
その朝、あたしはいつものようにスクールバスに乗って学校に行った。午後の国語の授業の最中に大きな地震が。みんな机の下に隠れた。
揺れが収まると校庭に出た。町から大勢の人が次々と山の上の小学校に登って来た。
その夜は教室に泊まった。さきちゃんと二人で新聞紙にくるまった。
避難所になった小学校にお母ちゃんとこうたが来た。お父ちゃんはけがをして病院に運ばれたそうだ。
隣りの家のえみちゃんの家族はみんな行方不明らしい。
みんな、わらわない。わたしも、わらわない。
地震から二か月。校庭の周りにタンポポが咲き始めた。遠くの親戚の家に行ってしまうさきちゃんとタンポポをつんだ。
さきちゃんはにっこり笑って言った。「あたし、いつか かならず この町に かえってくるからね」