2024.04.20
長田弘 作 大橋歩 絵 クレヨンハウス 1996年
おれんじいろのながいしっぽのねこは、花の好きなおばあさんのねこでした。一人暮らしのおばあさんは、いつもねこといっしょです。
おばあさんがぐっすり眠っている夜中に、ねこは外へでかけます。いつも朝になると帰ってくるのですが、その日は帰ってきませんでした。
おばあさんは待ちました。次の日の朝、小さな女の子が死んだねこを抱いて立っていました。ねこは夜の道を渡ろうとして車にはねられたのです。
おばあさんは女の子に花をあげました。
そして、ねこを庭にそっとうめました。小さな芽が顔を出し、ぐんぐん大きくなっていきました。りっぱに育った不思議な木を見上げると、おれんじいろの実がなっています。
ある日落ちた実を拾い上げると、それは可愛いおれんじいろのちっちゃなねこでした。
最後のページの「こころという にわにそだつ いっぽんの ゆめのき」というフレーズが響きます。