絵本日記「1年365冊」

『はらぺこたらたとふしぎなクレヨン』 | 言の葉のうつわ

『はらぺこたらたとふしぎなクレヨン』

2024.04.30

あまんきみこ 作  広瀬弦 絵  PHP研究所2015年

チイばあちゃんの押し入れの隅からクレヨンの箱が出てきた。チイばあちゃんは久しぶりに画用紙を出して、何を描こうかと考えた。そのとき、とらねこたらたが窓からひらりと飛び込んできた。

「はら、ぺこ、はら、ぺこ、はら、ぺこぺこ」とらたは魚が大好き。タイが食べたいと言う。

そこで、ばあちゃんは赤いクレヨンで画用紙に赤いタイを描いた。「どうぞ」と言うと、とらたはぱくんとタイを食べてしまった。

「ああ、おいしかった。ごちそうさま」とらたは窓からひらりと出て行った。とらたは赤いしまもように。

クレヨンのタイを食べたからお腹をこわすかもとチイばあちゃんは心配になってとらたを追いかけた。

りすに聞くと、赤い犬なら通ったよと言う。フクロウに聞くと、赤い牛なら通ったと言う。そして、ばあちゃんは赤い牛に追いついた。牛は目まで赤い。

チイばあちゃんは赤いしまねこや赤い犬を見なかったかと赤牛にたずねた。

「みない、みない。しらないねえ」と牛は答えた。

「しらなくないよう」と別の声がして、牛の口から赤い犬が飛び出した。その犬の口からは赤いしまねこが飛び出した。

ばあちゃんが赤いしまねこを抱きしめると、とらたの口から赤い魚が飛び出した。

とらたはいつものとらねことらたに戻っている。赤い犬は真っ白な犬に。赤牛も白黒ぶちもようになった。

みんなはチイばあちゃんの家であんこのつまったタイ焼きのおやつをもらったよ。

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