2024.05.06
デイヴィッド・アーモンド 作 ローラ・カーリン 絵 広松由希子 訳 BL出版 2023年
ある日、町にナンシー・ソロという女の人が現れました。彼女は、自分は子どもたちを鳥にかえられるのだと言います。
大人たちはてんで相手にしません。子どもたちにはあの人に近寄ってはいけないと注意しました。
そこへ、ひとりの女の子がやって来ました。名前はドロシー・カー。ナンティー・ソロは彼女を呼び止め、ドロシーはいけないことだとわかっていながら、いっしょに座りました。
ナンティーは地面に模様を描き、ドロシーに何かささやきました。そして、「さあ、たのしくね。とんでらっしゃい!」
すると、1わのツバメが青空に飛び立っていきました。
ドロシーはずっとツバメでいたわけではありません。ほんのひとときです。ドロシーにもどったドロシーはお家に帰っていきました。
たくさんの子どもたちが自分の番を待って、次々に鳥になっていきました。町の上空は鳥になった子どもたちでいっぱいになりました。
町の大人たちはとんでもなくあぶないナンティー・ソロを追い出さなくてはと叫び始めました。
ナンティー・ソロは、町から出ていくけれども、その前に空飛ぶ翼と歌うくちばしがほしくはないかしら?と聞きました。
すると、大きなオズワルド・マローンがやって来て、ナンティーが何かをささやくと空にのぼっていくではありませんか。
いま、空は喜びで満ちています。空気は素敵な歌にみちみちています。