2024.05.09
マーロン・ブンドとジル・トウィス 作 EGケラー 絵 服部理佳 訳 岩崎書店 2018年
この絵本はアメリカで刊行され、わずか数ヶ月で40万部を超えるベストセラーになりました。
主人公のマーロン・ブンドはアメリカ合衆国副大統領のマイク・ペンス一家が飼っている実在のウサギです。
ペンス副大統領は同性愛やLGBT政策・権利拡大に反対姿勢を示しています。
この絵本は、その副大統領の飼っているウサギを主人公にして、自由な恋愛の形、個性を尊重しあうことの大切さ、価値観を押しつけることの愚かさ、友だちを応援するやさしさなどを表現し、大きな話題となりました。
ウサギのマーロン・ブンドはある日、自分とはずいぶん違う姿のウサギ、ウェスリーに出会います。
2ひきは庭中を跳ねまわり、お屋敷の中でも、跳ね回って楽しく遊びます。
いっしょにいるうちに、2ひきはお互いに相手無しでは跳ね回ることはできないと思うようになりました。そこで、結婚することに決めます。
ほかの動物たちは喜んでくれましたが、みんなのリーダーのカメムシだけは大反対。オスのウサギはオスのウサギとは結婚できない、オスのウサギはメスのウサギと結婚するものだと主張します。「おまえたちは ふつうとはちがう。ふつうとちがうのは いけないことだ」
すると、動物たちが、自分も普通とは違うところを持っていると口々に言いました。そして、投票でリーダーを決めようということになり、威張っているカメムシは8対1でリーダーではなくなりました。
マーロン・ブンドとウェスリーはみんなに祝福されて結婚式をあげたのです。