2024.06.28
たしろちさと 作 グランまま社 2010年
カメレオンのカルロはジャングルで暮らしています。
カルロはまわりに合わせて、体の色が変えることができます。動物たちはいつもカルロに気がつきません。ですから、カルロはカメレオンなんてつまらないとごきげんななめ。
ある日、大きなかばがカルロをうらやましいと言いました。いつもどろんこ色だから、明るい色になれたらなあと。そこで、カルロは桃色の果物の汁でかばに色を塗ってあげました。かばは大喜び。
カルロはあちこちから葉っぱや木の実や花びらを集めて、たくさんの絵の具を作りました。そして、ジャングルじゅうの動物たちを色とりどりに変えました。
みんなで行進です!
ところが何日かたつと、目がちかちかする、目立ちすぎて隠れられない、などとみんなが吠えたり唸ったりし始めたのです。
元の色に戻してくれとみんなはカルロを追いつめます。カルロは崖にしがみつきました。
「もう、おしまいだ」
すると、カルロの体が崖の色に変わりました。崖と区別がつきません。
「カルロは どこへ いったんだ?」
そのとき、空は真っ黒な雲に覆われ、大粒の雨が滝のように降り始め、動物たちの体の絵の具を洗い流しました。
ジャングルは元通りに。カルロも色を変えながら、ジャングルで暮らしています。