絵本日記「1年365冊」

『ぶたのたね』 | 言の葉のうつわ

『ぶたのたね』

2024.06.29

佐々木マキ  絵本館 1989年

走るのが遅いおおかみがいました。ぶたよりも遅いので、一度もぶたをつかまえたことはありません。ぶたたちは逃げながら、おおかみをからかいました。

悔しいおおかみはきつねはかせに相談しました。きつねはかせは、ぶたのたねをくれました。おおかみはたねを土に埋めて、早く大きくなる薬をかけると、その日のうちに芽が出てきました。ぶたの木はぐんぐん大きくなり、見上げるような大木に。

次の日、ぶたの木にはたくさんのぶたが枝からぶらさがっていました。そのとき、遠くの方からドス、ドス、ドスという音が聞こえ、ぞうたちが走って来ました。ぞうのマラソン大会だったのです。ぶたたちはボトン ボトンとみんな下に落ちてしまいました。

地面におちたぶたたちはぞうのマラソンにくっついて走っていきました。でも、いっぴきだけ、木の根元で気を失っているぶたがいます。おおかみはまるやきにしようとたき火を準備しはじめます。あばれるぶたに手こずっているうちに、おおかみのしっぽに火がつきました。そのすきにぶたはすたこら逃げていきました。

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