2024.07.07
内田麟太郎 作 山本孝 絵 岩崎書店 2004年
今日は七夕。天の川でお二人はあえるのでしょうか。
しほちゃんはささだけに短冊をゆわえました。
「うみくんにあわせてください」と書いてあります。
母さんは「会えるといいね」と言い、星空を見上げました。
天のみかどは娘の織姫の働きぶりに目を細めていました。美しい織物は帝を引き立ててくれました。
そこで、帝は娘にむこを進めます。天の川のほとりで牛の世話をしている彦星です。
二人は目を合わせたとたん、互いを好きになりました。二人はひとときも離れなくなり、仕事はおろそかに。
みかどの着るものはみずぼらしくなり、牛たちはやせおとろえていきました。
とうとう、みかどは別れるように命じ、彦星は天の川の向こうへ追い払われました。織姫は来る日も来る日も泣き続けました。
帝は、元のようによく働くなら、一年に一度だけあわせてやろうと言いました。
母さんが笑いながらやって来ました。「しほちゃん、でんわ」
うみくんからでしたよ。