2024.07.13
神沢利子 文 あべ弘士 絵 福音館書店 2013年
南の海の静かな夜、ざとうくじらのお母さんが子守歌を歌っています。
三日月さんが「赤ちゃんはどこのいるの。」と声をかけました。「あなたがまあるくなるころに、きっと生まれてくるでしょう。」
くじらの赤ちゃんは二人の話をきいて、お腹の中で「おかあさん、お月さん、まっててね。」と言いました。
満月の晩、赤ちゃんは海へすべり出ました。お月さまがお祝いを言いました。
くじらの赤ちゃんはお母さんに世話をされ、お母さんのまねをしていろいろなことを覚えていきます。おにいちゃんやおねえちゃんのくじらたちのまねっこも。
くじらの子どもは上手に泳げるようになり、お月さまにジャンプをして見せました。
春になって、くじらたちは連れだって北の海へ出かけます。お月さまはやさしく見送りました。
あべさんの力強く、優しく、生き物への愛があふれた絵の力に圧倒される作品です。