絵本日記「1年365冊」

『くじらのあかちゃん おおきくなあれ』 | 言の葉のうつわ

『くじらのあかちゃん おおきくなあれ』

2024.07.13

神沢利子 文  あべ弘士 絵  福音館書店 2013年

南の海の静かな夜、ざとうくじらのお母さんが子守歌を歌っています。

三日月さんが「赤ちゃんはどこのいるの。」と声をかけました。「あなたがまあるくなるころに、きっと生まれてくるでしょう。」

くじらの赤ちゃんは二人の話をきいて、お腹の中で「おかあさん、お月さん、まっててね。」と言いました。

満月の晩、赤ちゃんは海へすべり出ました。お月さまがお祝いを言いました。

くじらの赤ちゃんはお母さんに世話をされ、お母さんのまねをしていろいろなことを覚えていきます。おにいちゃんやおねえちゃんのくじらたちのまねっこも。

くじらの子どもは上手に泳げるようになり、お月さまにジャンプをして見せました。

春になって、くじらたちは連れだって北の海へ出かけます。お月さまはやさしく見送りました。

あべさんの力強く、優しく、生き物への愛があふれた絵の力に圧倒される作品です。

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