2024.07.15
ラリー・デーン・プリマ― 文 ホセ・アルエゴとアリアンヌ・デューイ 絵 まさきるりこ 訳 あすなろ書房 2003年
ある夏の朝のこと、とうさんおおかみは子どもたちが遊ぶのを見ていました。ところが1ぴきだけ遊んでいない子がいました。すえっこおおかみは木の幹に隠れて、ほかの子どもたちの様子をのぞいていたのす。
とうさんおおかみは、どうしてにいさんやねえさんたちと遊ばないのかと聞きました。
まっすぐころがれないから・・・。どれ、いっぺんやってみせてごらん。
すえっこは、じぐざぐじぐざぐところがりました。
とうさんおおかみは言いました。「まっすぐ ころがるのは、おおきくなってからだ」
はやく走るのも、高く飛び上がるのもうまくいかないすえっこをとうさんおおかみはゆったり見守ります。
そして、お昼寝の時間。きょうだいはとうさんによりそって眠りはじめました。
すえっこおおかみは、もう知っているのです。小さなどんぐりが大きな木になることを。