絵本日記「1年365冊」

『なつのいなかの おとのほん』 | 言の葉のうつわ

『なつのいなかの おとのほん』

2024.08.20

マーガレット・ワイズブラウン 文  レナード・ワイズガード 絵  江國香織 訳 ほるぷ出版 2005年

マフィンは子犬です。夏になってマフィンの家族はいなかに出かけることになりました。

家の人たちは飛行機に乗ります。でも、マフィンは金網のついた箱に入れられて、汽車に乗せられました。マフィンには外の景色は見えません。マフィンは耳をそばだてて、いろいろな音を聞きます。

  ぷしゅー がたんごとん ぽっぽー

ひと晩じゅう、マフィンは音を聞きました。朝になると列車はどこかに止まりました。ここでもさまざまな音が。そして、マフィンの箱は船に積み込まれました。マフィンは自分がどこに連れていかれるのか、見ることはできませんでしたが、音は聞こえました。

  がちゃり、がちゃん、ジャーン、びゅうう

船が岸に着き、マフィンの箱がおろされました。マフィンが箱から飛び出すと、家の人たちが待っていました。マフィンはいなかに来たのです。

いなかで、マフィンはたくさんの音に耳を澄ませました。夜になっても、初めての音が聞こえてきます。

やがてマフィンは眠くなりました。カチコチ、カチコチという音にまじって、こんな音も聞こえてきました。

  ぷすううう、ぷすううう

いったい何の音?やわらかい子猫でした。マフィンはそのふわふわの子猫にくっついて丸くなりました。

もう、何の音も聞こえませんでした。

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