2024.08.28
いまいあやの 文渓堂 2011年
メイは眠れませんでした。これまで、こんなことはなかったのに。
ミルクを飲んでも、本を読んでも、目が冴えるばかり。そこで、ひつじの数を数えることにしました。
10ぴき・・・20ぴき・・・とうとう100ぴき・・・
そして、106ぴき、107ひき
あれ、108ぴきめは?
ゴツン!
ベッドのうしろの床で108ぴきめのひつじがのびていました。頭にたんこぶを作って。
ほかのひつじたちはベッドを飛び越して行ったのに、108ぴきめのひつじは上手にジャンプができないようです。
すると109ひきめが言いました。
「108がとびこせないと、あとがつかえて ぼくたちもねむれないんだ。」
メイとひつじたちは108ぴきめを手伝いましたが、うまくいきません。
そこで、メイはベッドに穴をあけました。108ぴきめのひつじは走り出し、ジャンプ!穴をすりぬけて、みごと、ベッドの向こう側に着地することができました。
メイもひつじたちも、みんなで仲良くまるまって、眠りました。
これからは、数えなくても、眠れるかな。