絵本日記「1年365冊」

『こめんぶくあわんぶく』 | 言の葉のうつわ

『こめんぶくあわんぶく』

2024.09.12

松谷みよ子 文  太田大八 絵  ほるぷ出版 1986年

全国的にお米が不足していますね。我が家もあと数日分しかありません。お米の大切さが身に沁みます。

この絵本は越後に伝わる民話がもとになっています。まさにシンデレラ譚なのです。東西の文化は違っても同じような物語が残っているのにはびっくりですね。

こめんぶくという女の子のお母さんは早くに亡くなりました。やがて新しいお母さんが来て、あわんぶくという妹が生まれました。新しいお母さんはあわんぶくばかり可愛がり、そのうちにお父さんまで亡くなってしまいました。

ある日、お母さんは二人に山へ行って栗を拾ってくるように言いつけます。こめんぶくの袋には穴が開いていて、拾っても拾っても落ちてしまいます。それをあわんぶくが拾って、さっさと帰ってしまいました。

こめんぶくが気がついたら暗くなってしまっていて、灯りがともっている小さな小屋に入れてもらいました。そこは山んばの家だったのです。こめんぶくは山んばに頼まれるままに頭のしらみをとってやりました。そうしたら山んばは宝の小箱をこめんぶくに渡して、願いがあるときに開けて「おらの なを よべ」と伝えました。。

家に帰ったこめんぶくに、お母さんは「ふん、いきて いたのか。」と言いました。

おまつりの日が来ました。お母さんはあわんぶくにだけいい着物を着せました。そして、庭中にお米をまき散らして、ひとつぶ残らず拾うようにとこめんぶくに命令して、出かけていきました。

お米を拾うこめんぶくをすずめたちが手伝ってくれました。そして、お祭りに行っておいでと言います。こんなぼろの着物ではいけないと言うと、宝の小箱を開けろと。

こめんぶくは小箱を開けて、いい着物を欲しいと願いました。すると山んばもやって来て、黒い漆塗りの下駄をはかせてくれ、馬に乗せて送り出してくれました。

祭りでは、あまりにきれになこめんぶくに長者様の若様もすっかりみとれてしまい、さじきの隣に座らせました。ゆっくり祭り見物をしていたこめんぶくははっとしました。お母さんたちより早く家に帰らねば。こめんぶくは馬に飛び乗って帰ってきました。

そのとき片方の下駄が落ちました。

ある日、こめんぶくの家に長者さまの家から嫁もらいが来ました。片方の下駄を持っています。あわんぶくにはその小さな下駄はまったく合いませんでした。こめんぶくにはぴったり。

こめんぶくは長者様の若様のもとに嫁入りをしました。

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