絵本日記「1年365冊」

『たびするおやま』 | 言の葉のうつわ

『たびするおやま』

2024.10.21

ほんまわか  文研 2015年

ちいさなおやまがありました。ふもとにはちいさな町。町の人々をおやまはずっと見守ってきました。

ところが町が大きくなると、人々はおやまを気にかけなくなり、ゴミを捨てに来る人もいるほどに。おやまはとうとう思い切って立ち上がると、ずんずん歩き出しました。

高いやまの間にすわったり、さばくにチョコンとすわったりしましたが、さびしくなるばかり。海にも、寒い国にも、暑い国にも行きましたが、長くいられません。

にぎやかな町につくと、みんなが踊りをおどっています。おやまもいっしょになって踊ってるうちに、赤く色づき始めました。

元の町に戻って元いた場所にすわると、人々は喜んで、盛大に秋まつりが開かれました。

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