2024.10.21
ほんまわか 文研 2015年
ちいさなおやまがありました。ふもとにはちいさな町。町の人々をおやまはずっと見守ってきました。
ところが町が大きくなると、人々はおやまを気にかけなくなり、ゴミを捨てに来る人もいるほどに。おやまはとうとう思い切って立ち上がると、ずんずん歩き出しました。
高いやまの間にすわったり、さばくにチョコンとすわったりしましたが、さびしくなるばかり。海にも、寒い国にも、暑い国にも行きましたが、長くいられません。
にぎやかな町につくと、みんなが踊りをおどっています。おやまもいっしょになって踊ってるうちに、赤く色づき始めました。
元の町に戻って元いた場所にすわると、人々は喜んで、盛大に秋まつりが開かれました。