絵本日記「1年365冊」

『でも、わたし生きていくわ』 | 言の葉のうつわ

『でも、わたし生きていくわ』

2024.11.19

コレット・ニース=マズ―ル 作  エステル・メーンス 絵  柳田邦男 訳  文渓堂 2009年

わたしはネリー。あの日たいへんなことが起き、パパとママはいなくなった。わたしとピーターとアンナの三人は別々に親戚の家で暮らすことになった。

毎週土曜日におじいちゃんの家に行く。そこでは弟のピーターがいて、ナンシーおばさんの家にいる妹のアンナもやって来て、三人がいっしょになる。日曜日の夜には別れるけれど、私たちは毎日こころで会うことにしているの。

おとなの人たちはパパやママのことを話してくれる。写真も見せてくれる。

わたしはときどきピーターとお墓に行ってパパとママにあいさつをする。

夜になると、あの事故が起きる前の日々のことを思い浮かべる。なんであんなことが起こったのだろう。パパとママが今もいたら、どんな毎日になっているだろう。

わたしがおとなになったら子どものたくさんいる家庭にしたい。

家には、窓もドアもいっぱいあって、風がやさしく通り抜け、星空も眺められる。おさない子も大きな子も、だれでも自由にはいってこられる。

「いらっしゃい」わたしは声をかけるわ。

「あなたも家族よ」

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