2024.11.30
イ ヨンギョン 文・絵 かみやにじ 訳 福音館書店 1999年
頭に赤いてぬぐいをかぶっているおくさんがいて、「あかてぬぐいのおくさん」と呼ばれていました。
あかてぬぐいのおくさんはお針仕事がとても上手でした。おくさんの部屋には、ものさし、はさみ、はり、いと、ゆびぬき、のしごて、ひのしの七つ道具がありました。
ある日、おくさんがうたた寝をしているときに、道具たちが言い争いを始めました。
みんな、口々に自分がいちばん大事だと言うのです。
言い争いの声に目を覚ましてみんなの自慢話を聞いたおくさんは、腕のいい私がいちばん偉いんだと怒り、道具たちを裁縫箱に放り込みました。
叱られた道具たちは悲しくなりました。
再び寝てしまったおくさんは、道具たちがいなくなった夢を見て、眠りながら大粒の涙を流しました。道具たちはびっくりし、心配しました。
目を覚ましたおくさんは、ひどいことを言ってすまなかったと謝りました。
それからというもの、おくさんと7人のなかまたちは一層仲良くお針仕事に励むようになりましたって。
7つの道具たちはものさしふじん、はさみおじょうさん、はりむすめ、ゆびぬきばあちゃん・・・という具合に擬人化されていて、個性が光っています。
チマチョゴリの美しい絵も楽しみながら、読んでくださいね。