絵本日記「1年365冊」

『とおいほしでも』 | 言の葉のうつわ

『とおいほしでも』

2024.12.01

内田麟太郎 文  岡田伸也 絵  絵本塾出版 2015年

男の子とお父さんが夜空を見上げながら語り合っています。

「ほしにも ふたごってあるんだよ」

「この ほしにも?」

ふたごだから、なにもかもそっくり。

ニホンオオカミやコビトカバ、ジュゴンもいなくなっている。

「カッパは?」

「いたとおもうよ。つきよには かならず なかまと うたっていた。ふえに あわせて」 

このほしでは何度も何度も戦争があり、恐ろしい爆弾も破裂し、放射能が飛び散った。

街からはだれもいなくなった。

「さあ、ドングリの みを うめよう」

「うん、そのほしでも ドングリの みを うめているかなあ」

「うめているさ、きっと。おまえと おなじ おとこのこが。おなじように きっと」

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