2024.12.01
内田麟太郎 文 岡田伸也 絵 絵本塾出版 2015年
男の子とお父さんが夜空を見上げながら語り合っています。
「ほしにも ふたごってあるんだよ」
「この ほしにも?」
ふたごだから、なにもかもそっくり。
ニホンオオカミやコビトカバ、ジュゴンもいなくなっている。
「カッパは?」
「いたとおもうよ。つきよには かならず なかまと うたっていた。ふえに あわせて」
このほしでは何度も何度も戦争があり、恐ろしい爆弾も破裂し、放射能が飛び散った。
街からはだれもいなくなった。
「さあ、ドングリの みを うめよう」
「うん、そのほしでも ドングリの みを うめているかなあ」
「うめているさ、きっと。おまえと おなじ おとこのこが。おなじように きっと」