絵本日記「1年365冊」

『なべぶぎょう いっけんらくちゃく』 | 言の葉のうつわ

『なべぶぎょう いっけんらくちゃく』

2024.12.20

穂高順也 文  亀澤裕也 絵  あかね書房 2012年

江戸の町のなべ奉行「おおおか えちぜんのかみ なべすけ」。

このなべ奉行、大根やねぎ、豆腐などのなべの中身の煮え具合を確かめながら、江戸の町の事件やもめごとを裁き、解決していくのである。

貧しい旅人が道で餅を拾った。何日も食べずに歩いてきたので、思わず餅に食らいついたが、固くて歯が立たない。

すると、そこにうなぎやの香ばしい匂いが。うなぎを焼く熱い煙に餅をかざせば、柔らかくなり、香ばしい匂いもしみつくに違いない。そうやって餅を食べた。すると店の主人がやって来て、代金を払えと言う。

言い争いになった二人は奉行所に訴え出ることにした。なべ奉行は両方の言い分を聞き、じっくり考えた。

そして、自分が代わりに代金を払うから前に出よとうなぎ屋の主人に言った。

奉行は店の主人の耳元で小判を2枚合わせてチリンチリーンと音を立てた。

  うなぎの音に代金がかかるのなら、小判の音で支払うまでのこと。

  これにて、いっけんらくちゃく!

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