2024.12.25
朝のリレー 谷川俊太郎
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球で
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交換で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
中学校の教科書にも載っている谷川俊太郎さんの詩です。
この詩を読むと、生きているって、なんて素敵で尊いことなんだろうって思います。
今、この瞬間、地球に住む人たちが、みんな、平和でありますように。