2025.01.04
アンソニー・ブラウン さく 灰島かり やく 評論社 2006年
ビリーは、いつもびくびくしていた。いろいろなことが心配でたまらない。
帽子、靴。雲や雨・・・。
パパとママが慰めてくれた。それでも、ビリーはびくびく。
ある日、おばあちゃんの家に泊まり行った。
心配で眠れない。とうとうおばあちゃんに打ち明けた。
おばあちゃんは「しんぱいひきうけにんぎょう」をくれた。
「まくらの したに いれて、おやすみ。そうすれば、この子たちが かわりに しんぱいしてくれるから、おまえは ぐっすり ねむれるよ」
ビリーは、人形に心配事を打ち明けて、ぐっすり眠った。
次の夜もぐっすり眠った。
ところが、その次の夜からビリーの心配がまた始まった。
「ぼくの しんぱいを ひきうけたから、にんぎょうたちは きっと こわがってる。そんなの、この子たちに わるいよ。」
次の日、ビリーは一日中テーブルでごそごそやっていた。
ビリーが作ったのは、しんぱいひきうけにんぎょうのための、しんぱいひきうけにんぎょう。
その晩は全員がぐっすり眠った。