2025.01.05
脇明子 作 小野かおる 絵 福音館書店 1996年
神楽とは神道の神事で奉納される歌舞のことです。
くにこはお父さんとお母さんと三人でお母さんの実家のいなかに出かけました。おじさんからおかぐらを見においでと電話があったのです。
バス停に迎えに来てくれたのは、いとこのたけちゃん。
くにこはたけちゃんといっしょにおかぐらの舞台を見に行きました。稲を刈り取った後の田んぼに柱が立って、ぶたい作りが進んでいます。
夕方になって、おじさんの家には黒い羽織を着た人たちが集まってきました。今年はおじさんがおかぐらの世話をする番なのです。
暗くなって、懐中電灯で道を照らしながら舞台まで歩いていくと、村の人たちが大勢集まってきました。
神主さんがお祈りを始めました。そして、うしろからドン ドン ドン ドンドンドンと太鼓の音が響いてきました。すぐ下の田んぼのなかでは大きなたき火が燃え、おかぐらの開始です。
火の神様、サルタヒコの神さまたちが舞台を練り歩きます。つづいて、にこにこ顔のオオクニヌシの神さまが登場。大きな袋からふくのたねを取り出して、お客さんに向けて投げ始めました。お菓子まきも。大人も子どもも大喜び。
最後はヤマタノオロチ退治のお話。最高潮でお神楽はめでたくお開きになりました。
この絵本を読むと、昔の人たちが大切にしていたことにふれられて、とても懐かしい気持ちになります。村の人たちのつながりにもほっこりします。