2025.01.24
ダーロフ・イプカー 文と絵 光吉夏弥 訳 大日本図書 1988年
寝る時間になると、おひゃくしょうのリーさんはねこを外に出してやります。外は真っ暗。ねこはどうするのでしょう?
これからたんけんが始まるのです。
私たちには、くらやみのなかの景色は黒いシルエットにしか見えません。次のページを開くと、同じ景色が色鮮やかに現れます。ねこにはこんなふうに見えるのですね。
鳥小屋、畑の重機、まきば、野菜畑、森、広い道路、街・・・。
夜が明けてお日さまが顔を出すと、ねこは家へ帰っていきます。夜通し遊びまわっていたので、くたびれてしまいました。
うちに着くと、リーさんがしぼったばかりのめうしの乳をもらいます。
リーさんも奥さんも、ねこが一晩中寝ていたと思っているのです。それなのに、昼間もずっと寝るなんて、なんてなまけものなんだ、と。