2025.01.25
松成真理子 作・絵 ひさかたチャイルド 2006年
おばあちゃんからぼくに届いた荷物。新しいくつが入っていた。
「ちょうど いい。ぴったりだよ ママ。」ぼくはうそをついた。本当はちょっと大きかった。
新しいくつで歩いてみる。かたっぱがすぽっと抜けて空を飛び、みずたまりに着地。
ぼくがしょんぼりしていたら、古いくつもしょんぼりしていた。
「ふるい くつなんか いらない。」
次の日、きれいに洗われた古いくつが庭の木でぽかぽかお昼寝。それから、ママがくるまのワッペンをつけてくれた。
ぼくは古いくつと散歩に行った。
新しいくつがぼくの足にぴったりになるまで、ぼくの足はゆっくり大きくなることにした。