絵本日記「1年365冊」

『ゆずちゃん』 | 言の葉のうつわ

『ゆずちゃん』

2025.01.28

肥田美代子 作  石倉欣二 絵  ポプラ社 1995年

阪神淡路大震災から17日で30年が経ちました。

これは、たいちと、震災で命をうばわれたゆずちゃんの物語です。

二人は小学校の席がとなりどうしでした。

おおきくなったら何になりたい?と先生がきいたので、ぼくはうちゅうひこうし、ゆずちゃんはふうせんやさんと答えました。

1月17日の朝、大きな地震がきて、ぼくは足にけがをしました。おとうちゃんがぼくをおんぶして病院に走りました。ぼくの足は包帯でぐるぐる巻きに。おかあちゃんが言いました。「ゆずちゃんな、いえの下じきになって、死んでしもうたんやて。」

そんなん、うそや。うそや。うそや。

ゆずちゃんとのおわかれの日。みんなはゆずちゃんが好きだったふうせんをもって集まりました。

ゆずちゃんのいる空をみつめたら、ゆずちゃんの笑い声が聞こえたような気がして、ぼくの胸がほわっとぬくうなりました。

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