絵本日記「1年365冊」

『せなかがかゆいの』 | 言の葉のうつわ

『せなかがかゆいの』

2025.02.10

浅沼とおる  鈴木出版 2002年

岩の上でかもめのはちろうが休んでいると、蚊が飛んできてはちろうの背中をチクリとさしました。

「かゆいよ かゆいよ」くちばしをのばしても、背中には届きません。

そこへひょっこり顔を出したたこのたこきちに頼みました。

「ぼくの せなかを かいてくれ」

「うひー きもちいい」

すると、とびうおたちも言いました。

「ぼくたちの せなかも かいておくれ」

たこきちは8本の手足をつかってとびうおたちの背中をかいてやりました。

こんどは、うみがめのうみぞうさんが「せなかが とっても かゆいの」。

続いて背中をかいてほしいと言ったのはくじらのはなこさん。

そこへ大きな波がどっぷーんとやってきて、「わしの せなかも かいてくれー」。

海の声でした。広い海の背中って、どこにあるのか、みんな困ってしまいました。

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