2025.02.20
安房直子 作 葉祥明 絵 金の星社 1980年
秋が終わり、野原のすすきはすっかり枯れていました。
ある日、くまのがっきやにさむがりのうさぎがやって来ました。セーターの上にオーバーを着て、厚いくつしたにブーツ、手袋とえりまき。それにマスクもかけていました。
うさぎはがっきやの前で「はっくしょん」。くまにあったかくなるいい方法はないかとたずねます。
くまは大きなたいこをうさぎに叩くように言いました。
うさぎはマスク、てぶくろ、えりまきをはずして、たいこを力いっぱい叩き、目をつぶりました。春のよもぎの野原にいる気持ちになりました。もう一つ叩いて目をつぶると、こんどは、菜の花のにおいが。小鳥の声もきこえてきました。
うさぎはどんどん叩きました。すると、ほんとうにあたたかくなって、オーバーも脱ぎました。
うさぎはその大きなたいこを買って、ころがして帰っていきました。