2025.02.25
角野栄子 作 佐竹美保 絵 偕成社 2023年
小さな木が一本、何年もそこにはえていました。
ある日、一ぴきの犬が走ってきました。「ぼくは、ゴッチ。つなをくいちぎって家出してきたんだよ。」ゴッチは好きなところに行くんだと言います。
小さな木も、好きなところに行きたいと思いました。ゴッチは土をがりがり掘り、木はよっこらしょと根っこを引きぬきました。ゴッチはスタン スタン、キッコはイッポ イッポと進んでいきます。
岩のイワオも誘われて、ゴロンチョって歩き始めました。
みんなが足を水につけて休んだ沼も、いっしょに行くことになりました。沼の名前はイッテキ。
スタン スタン スタン、イッポ イッポ イッポ、ゴロンチョ ゴロンチョ ゴロンチョ、ポチョンチョ ポチョンチョ ポチョンチョ。
野原に出ました。キッコもイワオもイッテキも、ここが気に入りました。
でもゴッチは「ここは、ぼくの すきなところじゃ ないな」と言って、走っていってしまいました。みんなはだまって見ていました。
次の日からキッコとイッテキとイワオのふつうの生活が始まりました。でも今までとはぜんぜん違うのは、好きな時に散歩ができること。
夜になると、キッコはゴッチのことを考えました。(じぶんの すきなところを みつけたかしら・・・・・・)